女性の薄毛治療法のホルモン補充療法!特徴をご紹介!
ホルモン補充療法は更年期障害の治療法の1つです。女性は閉経が近づくと女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急速に減少しますが、この急激な変化に体がついていけないことで身体的・精神的な不調が起こることがあります。これが更年期障害です。
そしてホルモン補充療法とは、エストロゲンを補充することによってホルモン減少による急激な変化を抑え、閉経後のホルモン環境に徐々に体を慣らしていくという治療法です。
エストロゲンを補充する方法には飲み薬・貼り薬・塗り薬の3種類があります。
人によっては日常生活もままならないほど辛い症状が出る更年期障害。ホルモン補充療法は保険適用で自己負担が少なく、更年期障害を根本的に治す方法として期待されています。
ではホルモン補充療法は薄毛にどのような効果が見られるのでしょうか?その仕組みは非常に単純明快です。
女性の薄毛・抜け毛には女性ホルモンの減少が大きくかかわっています。それは女性ホルモンであるエストロゲンに髪の成長を促したり、髪の成長期間を持続させる作用があるため。女性ホルモンが減少し始める30代以降から薄毛に悩む女性が増えるのも頷けます。
そこでホルモン補充療法によって女性ホルモンを補えば、抜け毛の防止や育毛促進に効果があると考えられているのです。しかしホルモン補充療法による薄毛改善効果はまだ臨床実験によるデータがないため、今のところ普及しているとは言い難いのが現状です。
ちなみにホルモン補充療法が保険適用となるのは、更年期障害によって起こる心身の諸症状を治療する場合です。男性型脱毛症(AGA)でも同じことが言えますが薄毛を目的とした治療は保険適用外となってしまい、ひと月あたり1万~1万5,000円程度の費用がかかります。
ホルモン補充療法を始めた際に、乳房の張りや痛み・軽度の不正出血が起こることがあります。これらはエストロゲンの作用によるもので治療を開始して1~2ヵ月以内にみられる症状ですが、体が慣れてくれば自然と治まります。薬の量を調整することでも対応できます。
またホルモン補充療法を行うとがん発症の危険性があると言われており、治療を躊躇する方も少なくありません。確かにエストロゲンのみを長期的に投与すると子宮体がんのリスクが高まることが分かっていますが、プロゲステロンという黄体ホルモン剤を併用することでそのリスクを下げることができます。
そして女性なら乳がんについても気になるところですよね。確かにエストロゲンとプロゲステロンの併用療法を5年以上行った場合にはわずかに乳がん発症率が上がるというデータがありますが、一方で乳がんによる死亡率はホルモン補充療法を行った人のほうが低いという報告もあります。今のところ、きちんと定期検診を受けてさえいればホルモン補充療法による乳がんリスクはむやみに怖がるものではない、という見解が一般的です。
ただし下記のように、ホルモン補充療法を受けることができない(あるいは受けないほうがよい)人もいます。
・乳がん・子宮がんの治療中、もしくはかかったことがある人
・子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症にかかったことがある人
・血栓症・塞栓症にかかったことがある人
・心不全・腎不全にかかったことがある人
・動脈硬化が進んでいる人
・肝機能障害のある人
・妊娠の可能性がある人
・高血圧で降圧剤を服用している人
・糖尿病治療でインスリンを使っている人
・喫煙している人
最後にまとめますと、ホルモン補充療法は更年期障害と薄毛、両方の症状にお悩みの方には有効な治療法と言えそうです。副作用への理解と、治療が行える体質であるかどうかを医師と十分に話し合ったうえで行うようにしてくださいね。